
GPSと言えばカーナビでお馴染みですが、世の中にはハンディGPSと呼ばれる小型のGPS機器が多く発売されています。大手家電メーカーが本腰を入れて発売している訳ではないので、あまり一般的な機器ではありません。しかし、使ってみると実におもしろいことがわかりました。私も最初はこのサイトを開発する目的でハンディGPSを購入したのですが、使っている間にその便利さとおもしろさの虜になってしまいました。このページでは、そんなハンディGPSの紹介、使い方、楽しみ方を紹介したいと思います。
GARMIN GPSmap 60CSx(英語版)個人輸入体験記
ハンディGPSを持って山へ行こう
簡単に言えばカーナビの小型版と思っても良いかもしれません。カーナビとの大きな違いと言えば、自分が残した軌跡をPC上に移せることくらいでしょうか。
ハンディGPSは様々な種類が出ています。機種にもよりますが、自分の位置を画面上の地図で確認できたり、目的地のルーティングが出来たり、画面の大きさと音声が出ないことを除けば殆どカーナビと一緒です。一方、派手な画面も何の機能も無く、ただ軌跡のみを記録するものもあります。このタイプの場合、歩いたルートを後日、PC上で確認することが目的となっています。
日本で入手できるハンディGPSと言えば、アメリカのGARMIN社と台湾のMioテクノロジー社。GARMIN社は本格的なハンディGPS専業のメーカーで、陸海空の様々なモデルを発売しています。但し、GARMIN社の日本語モデルはGARMIN社が自ら手がけている訳ではなく、国内の代理店である いいよねっと が取り扱っています。
Mioテクノロジーも様々なハンディGPSを出しています。特にWindows Mobileを搭載したPDAとGPSが一体化した製品が多いのが特徴かもしれません。
残念なことに、日本のメーカーで本格的にハンディGPSを開発・販売している企業は無いようです。最近ではSONYがトラックログ(軌跡)を記録するだけの最低限の機能を持った機種を発売しているだけで、あまり話を聞きません。
GPS-CS1Kという機種を出しています。
予算や用途にも依存すると思いますが、私が検討したのは上述のハイエンドモデル。GARMINのGPSmap 60CSxとMio P350です。GPSの性能の目安となるのが搭載されているGPSチップ。この2機種にはSiRFテクノロジー社のSiRFstarIIIと呼ばれるチップが搭載されており、高感度ということで有名です。私はトレッキングや自転車での使用を前提として考えて機種選定をしました。調査した結果、堅牢性が高く日常生活防水であること、電子コンパスと気圧高度計を装備していることから、GPSmap 60CSxを選択しました。一方Mio P350はPDAの機能やカーナビの機能が充実しているようです。近日、可能であればこちらも購入してベンチマークしたいと考えています。
また、入門用としてはSONYのGPS-CS1Kという機種が最適です。トラックログ(軌跡)の記録機能しかありませんが、実売\12000ということを考えると、先ずは入門用に購入してみるのも良いかと思います。私は感度のベンチマーク用にGPS-CS1Kも購入しました。
例えば、私が所有しているGARMIN GPSmap 60CSxには以下の機能があります。
これらの情報が携帯電話サイズの機器で見ることができます。
街中で使ってもあまり有り難味は感じないかもしれません。しかし、私はトレッキングで実際に使って実感しました。ハンディGPSは、標識や情報が少ない、もしくは全く無いような場所で使ってこそ、その真価を発揮するのかもしれません。ハンディGPSを持ち、初めての森の中の山道を歩く時の安心感は一度体験した者しかわからないかもしれません。
ハンディGPSは需要が少なく市場が小さいのか、国内の大手メーカーはハンディGPSに関してあまり本腰を入れて販売していません。有名なメーカーと言えばアメリカ・台湾メーカーとなります。軌跡の緯度・経度だけを記録するようなハンディGPSであれば日本語版でも英語版もあまり大差は無いのですが、地図を表示するようなタイプとなると話は別です。
例えば、GARMINのハイエンド機種であるGPSmap 60CSxを購入するには、日本語版を購入、日本の店から英語版を購入、海外の店から直接通販で購入の3つの方法があります。ハードウェアは全く同じですが(厳密には内部のファームウェアは違う)、表示されるメッセージや地図、購入ルートなどが違います。大きな違いを簡単にまとめると以下の表のようになります。
| 項目 | 国内の店から日本語版を購入 | 国内の店から英語版を購入 | 海外の店から英語版を直接通販で購入(個人輸入) |
| 価格 | \126000 | \86000 | $395( = \47000 / $1=\119) |
| 実機内のメッセージ | 日本語/英語 | 英語 | 英語 |
| 日本地図 | 付属 | 別売(\11550:国内購入) | 別売(\11550:国内購入) |
| 日本地図表記 | 日本語 | ローマ字 | ローマ字 |
何と言っても一番の違いは価格でしょう。英語版は、メッセージが英語、日本地図の地名がローマ字であることを除けば、機能は全て同じです。日本語版を買えば倍以上の価格。
私がお勧めするのは、本体は海外の店から英語版を直接購入し、地図は国内の日本地図(英語版専用)をインストールするという方法です。下記は、実際に私がGARMINのGPSmap 60CSx(英語版)を購入した時の体験記です。
私が実際にGPSmap 60CSx(英語版)を海外から直接購入した体験記
当初、ハンディGPSなんてカーナビに比べたら画面は小さいし使い物にならない、というのが私の見解でした。しかし、実際にGPSmap 60CSxを所有してみてその考えは改めさせられました。相当使えるモノだった、というのが率直な感想です。
第一印象は、思っていたよりも小さいと思いました。昨今の携帯電話から比べれば大きいですが、便利で信頼性の高そうなベルトクリップも標準添付されているので、ベルトに装着してしまえばあまり大きな物を持ち歩いている印象はありません。とにかく、その機能と精度の良さを考えると、大きさのデメリットは簡単に相殺できるものでした。
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| バックライトON | バックライトOFF |
GPSmap 60CSxの特徴の一つが画面の見易さでしょう。暗いところでバックライトをONにすれば当然綺麗に見えます。問題は屋外。特に日中の屋外でバックライトをOFFにしても非常に見易い画面だったのが驚きました。
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| 充分使える地図 | 拡大 |
購入したのは英語版+アップアップダウン製作所日本詳細1:25000道路地図+トポ(20m等高線付き)。表示イメージは上の通りです。画面は小さいものの、1:25000の地図は大抵の道路は網羅されています。英語版の違いは地名が全てローマ字になること。しかし、価格を考えれば全く気になりません。

本領を発揮するのは山岳地かもしれません。20mの等高線が綺麗に表示され、傾斜も把握できます。
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| ルーティングされた道路 | ルーティング案内画面 |
カーナビのように目的地までのルーティングも可能です。一度自転車でルーティングさせて使ってみましたが、全く問題なく車と同じ感覚で使うことができました。
また、画面のコンフィギュレーション機能も強力で、地図画面上に何個のフィールド(項目)を表示させるのか、その各フィールドには、移動距離や時間等、何を表示させるのかまで指定することが可能です。

電子コンパスと気圧高度計も内蔵しています。停止時も正常に向きを表示することが可能です。
バッテリは単三型電池が2本です。スペック上はアルカリ電池で18時間持ちます。私は2700mAhのニッケル水素電池を使ってますが、トレッキングへ2~3回くらい行っても問題ありません。

ハンディGPSの特徴の一つが、移動した軌跡を記録することです。上記の緑色の点が、実際に歩いた軌跡です。道が無いような山の中でも、この軌跡を辿ることで全く迷うことなく戻ることが可能です。実際にハンディGPSを持って山道を歩いて感じたのは、大きな安心感でした。
また、この軌跡はトラックログとしてデータに残し、PCにデータを移すことが可能です。本サイトでは、このトラックログをアップロードし、地図や標高グラフを表示することができるサービスを提供しています。
トラックログはハンディGPSのメーカーに色々なフォーマットが存在します。GARMIN社では、主にGPXと呼ばれるフォーマットを採用しています。GPXフォーマットは具体的には以下のような内容になっています。
<trk>
<trkseg>
<trkpt lat="36.574601" lon="138.403063">
<ele>1301.127</ele>
<time>2007-05-02T23:14:09Z</time>
</trkpt>
<trkpt lat="36.574601" lon="138.403062">
<ele>1301.127</ele>
<time>2007-05-02T23:14:10Z</time>
</trkpt>
<trkpt lat="36.574571" lon="138.403072">
<ele>1299.085</ele>
<time>2007-05-02T23:14:37Z</time>
</trkpt>
<trkpt lat="36.574639" lon="138.403043">
<ele>1299.034</ele>
<time>2007-05-02T23:14:51Z</time>
</trkpt>
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GPXフォーマットの内部は緯度経度、標高、日時の情報が記録されています。
また、Mio社のP350やSONYのGPS-CS1Kなどが採用しているNMEAフォーマットは以下のような内容です。
$GPGGA,232341,3634.3115,N,13824.2982,E,1,04,06.8,01392.3,M,036.8,M,,*43
$GPGSA,A,3,04,12,13,17,,,,,,,,,07.4,06.8,02.8*06
$GPGSV,2,1,06,04,54,313,43,12,09,315,31,13,44,127,49,17,72,169,45*77
$GPGSV,2,2,06,02,,,00,23,,,51,,,,,,,,*78
$GPRMC,232341,A,3634.3115,N,13824.2982,E,000.0,196.1,020507,,,A*73
$GPVTG,196.1,T,,M,000.0,N,000.0,K,A*02
$GPGGA,232356,3634.3157,N,13824.2974,E,1,04,06.7,01381.0,M,036.8,M,,*44
$GPGSA,A,3,04,12,13,17,,,,,,,,,07.3,06.7,02.8*0E
$GPGSV,2,1,07,04,54,313,45,12,10,315,27,13,44,127,33,17,72,169,33*73
$GPGSV,2,2,07,02,,,00,06,,,00,23,,,33,,,,*7B
$GPRMC,232356,A,3634.3157,N,13824.2974,E,002.6,198.5,020507,,,A*74
$GPVTG,198.5,T,,M,002.6,N,004.8,K,A*00
$GPGGA,232411,3634.3102,N,13824.2986,E,1,04,06.6,01382.0,M,036.8,M,,*4F
$GPGSA,A,3,04,12,13,17,,,,,,,,,07.1,06.6,02.7*02
$GPGSV,2,1,06,04,54,313,34,12,10,315,26,13,44,127,34,17,72,169,36*77
$GPGSV,2,2,06,02,,,00,23,,,35,,,,,,,,*7A
$GPRMC,232411,A,3634.3102,N,13824.2986,E,001.5,205.9,020507,,,A*76
$GPVTG,205.9,T,,M,001.5,N,002.7,K,A*02
$GPGGA,232426,3634.3019,N,13824.2988,E,1,04,06.4,01386.0,M,036.8,M,,*48
・
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各パラメータの中に、GPXフォーマット同様、緯度経度、標高、日時の情報が記録されています。NMEAフォーマットに関しては、ここのサイトに詳細なフォーマットの説明が掲載されています。
ハンディGPSの機種によってどの程度トラックログに差が出るのか比較してみました。機種は以下の機種を用い、当サイトにアップロードしてトラックログを表示させています。場所は米子大瀑布です。P350とGPS-CS1Kは写真貼付を省略していますので、オレンジ色の旗
はありません。
| メーカー | 機種名 |
| GARMIN | GPSmap 60CSx |
| Mio | P350 |
| SONY | GPS-CS1K |

地図をクリックすると実際の地図画面が開きます。
今回のコースは谷にある深い森の中の道です。GPSには厳しい状況にも関わらず、非常に精度が高いトラックログを出力しています。これはアンテナの性能なのかもしれません。また、標高も綺麗に表示されていますが、これはGPSによる標高計算だけでなく、気圧高度計の威力なのでしょう。実に綺麗です。

地図をクリックすると実際の地図画面が開きます。
GPSのエンジンはGARMIN GPSmap 60CSxと同じSiRF StarIII。同じ結果を期待していたのですが、結果は上の通りです。レゾリューション的には60CSxと大差は無いのですが、時々データが暴れています。ハンディGPSは衛星からの電波がうまく捕捉できないと突如として場所が飛ぶ場合があります。何箇所かそのような場所があります。アンテナの改善で60CSxと同等になるかもしれません。また、標高も気圧高度計を持たないP350は綺麗な標高グラフにはなりませんでした。

地図をクリックすると実際の地図画面が開きます。
GPSmap 60CSxやP350と比べてGPS-CS1K価格は1/3~1/4程度。この機種と比較するのはナンセンスだとは思ったのですが、一応比較してみました。前半は完全にデータが捕捉できなかったようです。レゾリューションも上記2機種と比較すると厳しいようです。標高も同様です。やはり性能は価格と比例しているようです。
以下は実際にハンディGPSを山で使った例です。
つづく…